初めて英文履歴書を書く人にとっては、とてもわかりやすい本だ。英文履歴書とセルフプレゼンテーションシートを書くために、まずは日本語でまとめ、それを英訳するという手順で進む。
日本語のまとめは、「あなたは何のプロフェッショナルですか?」「あなたの最大のセールスポイントを5つ挙げて下さい」「この履歴書であなたが狙っているポジションは何ですか?」といった項目が書かれたカード型のシートを埋めていくだけで完成する。仕事の中身を整理したり、具体的な実績を示したりするために事例を使ってアドバイスしているので、日本語の職務経歴書を作ったことがない人でも自分のキャリアをしっかり整理することができるだろう。
残念ながら、英訳の段階で必要な、アピールするための語彙などの英語表現が、それほどたくさん掲載されていない。しかし、まず直訳し、表現を大人っぽく変え、口語調を取り除き、最後にネイティブにチェックしてもらうという、英訳のためのステップはわかりやすい。
履歴書と同様、カバーレターにも「導入(応募する動機など)」「自分の適性をアピール」など、設定された項目を埋めていけば完成するシートがあり、初心者にはありがたい。
日本の履歴書には記入しても、英文履歴書には必要のない項目が挙げられていたり、メールで英文履歴書を送る場合についても触れられていて、「かゆいところに手が届く」的な丁寧な本作りがなされている。(入倉由理子)